最終更新日: 2025年4月7日
経営学部商学科では、専攻科目を通して、何を学ぶのでしょうか? 「経営学? それとも商学?」と疑問をもつ学生も多いでしょう。
経営学部商学科では、まず経営学部について「企業・会社が行う様々な活動」に関することを学修・専攻する場と位置付けています。そのうえで、この活動のうち「商取引」に比重をおいて学修・専攻する場を商学科と位置付けています。もう少し具体的なイメージをもちたい人は、下図を参照してください。
経営学部商学科のカリキュラムは、大きく、次の2つの側面をもっています。ひとつの側面は「Startup Mindsetをもった人材育成のためのカリキュラム」、もうひとつの側面は「講義型科目(理論)と実践型科目(実践)を往還するカリキュラム」です。これら2つの側面をもつカリキュラムをしっかりと理解し、計画的な履修を心がけましょう。
教育とは人を育てることに他なりません。では、経営学部商学科では、どのような人を育てたいのか? その答えがStartup Mindsetをもった人材育成です。
Startupとは、一般的には「起業(する)」「新興(新規)企業」等の意味で用いられますが、経営学部商学科では、もう少し広く「新しい物事を始める」という意味で用いています。Mindsetについては「考え方」という意味で用いており、心や精神(意識)に重きを置くMindや日本語で言う“マインド”と区別しています。つまり「誰かの後を追う」のではなく、「新しい物事を始める」という精神(意識)を常にもち、さらには新しい物事を始めるための考え方や知識・能力も併せもっている、そのような人材を育てたいという思いがこめられています。
また、このような思いのもとで「Startup Mindsetをもった人材」には「型にはまりすぎない」思考などが必要であると考え、経営学部商学科のカリキュラムは、単位修得が卒業要件となる必修科目や選択必修科目を最小限にとどめています(必修4科目8単位のみ)。いいかえれば、独自かつ積極的な履修計画をたてる能力も必要なものだと考えています。
もっとも、「Startup Mindsetをもった人材」が全くイメージできず、独自かつ積極的な履修計画がうまくたてられない人もでてくるでしょう。そのような人には、①「顧客・市場・社会を意識し、それらが求める“新しい何か”に気づき、その何かを提供できる人材」に近づくための推奨科目(マーケティングコース推奨科目)と履修のタイミングを示した履修モデル、②「新しい何かを提供するために、事業を創造するというアクションを起こすことができる人材」に近づくための推奨科目(事業創造コース推奨科目)と履修のタイミングを示した履修モデルを用意しています(具体的な科目等は、説明会で紹介)。
「Startup Mindsetをもった人材」に近づくためは、経営学部商学科が用意した科目を履修するだけで十分でしょうか?
単位修得が容易と噂される科目を中心に履修登録し、出席は程々に、最低限の成績で単位を修得する。学生たちが、そのような受動的・消極的な状況では、「Startup Mindsetをもった人材育成」は、単なるスローガンにとどまってしまいます。そこで、能動的・積極的に履修するための仕掛けを考え、組み込んだ結果、「講義型科目(理論)と実践型科目(実践)を往還するカリキュラム」の側面ももつこととなりました。
具体的には、一方で「形式知を獲得する場」として講義型科目を設け、他方で「形式知を活用する場+暗黙知を獲得する場」として実践型科目を設けています。簡単に言えば、従来からの講義型科目で得た知識が、どのような場面で、どのように活用されるのかをイメージ・体感する場として、実践型科目が新たに設けられています。
そしてまた、講義型科目を通しての学修と実践型科目を通しての学修とを総合する場(集大成の科目)として演習型科目も設けています。ここに含まれる演習Ⅰや演習Ⅱは、形式知や暗黙知を身につける「学修の場」をこえて、学生一人一人が、独自の問いをたて、その問いに対する答えを論理的に導き、新たな知識を生み出す(人類の知識の総量を増やす)ための「研究の場」となります。
加えて、この「講義型科目と実践型科目を往還するカリキュラム」が、どの学生にとっても意味あるものになるよう、低学年次に素地形成科目、具体的には、能動的な学修や充実した大学生活のための素地形成科目:フレッシャーズゼミ、大学の科目を受講するための素地形成科目:情報リテラシー・アカデミックスキルズA・B、就職や大学卒業後の生き方にかかわる素地形成科目:キャリア&ライフマネジメント、も設けています。
このカリキュラムにおいて肝要なことは、講義型科目と実践型科目の「往還」です。
実践型科目の方が「楽しそう」「役立ちそう」と思う人が多いかもしれません。その結果、実践型科目のみに興味を示し、大学の従来的・本質的な科目である講義型科目の履修に消極的な人が出てくるかもしれません。しかし、いざ実践の場にたってみると、予備知識(形式知)の無さを実感するでしょう。あるいは、意外な科目の、意外な知識(形式知)が役立つことに気づくかもしれません。実践型科目での履修を通じて、形式知の不足を実感してもらいたい。そしてその実感をきっかけにして、講義科目の履修を能動的・積極的なものに変えてもらいたい。さらには、卒業後においても、理論と実践の往還を以て社会の様々な問題と向き合えるようになってもらいたい。そのように考えて「講義型科目(理論)と実践型科目(実践)を往還するカリキュラム」を作り上げました。
これらの狙いをしっかりと理解し、講義型科目と実践型科目をバランスよく往還するような履修計画をたてましょう。
上記のような2つの側面をもつ経営学部商学科(専攻科目)のカリキュラムは、4年間で完結するものです。しかし、教養教育科目の履修を含めた様々な科目の学修の過程で、このカリキュラムの枠を飛び出した学修をしてみたい、という学生が出てくることも少なくありません。
そのような場合、他大学・学部などへの編・転入学が一般的かもしれませんが、龍谷大学では別の選択肢として、第4セメスター以降に、所属は龍谷大学経営学部商学科のまま、学部共通コースに異動できる、という選択肢が用意されています。
学部共通コースの詳細を知りたい場合は、学部共通コースのページを参照してください。
下表には、専攻科目の全てが、学則に準拠する形で整理されています。表中で使用されている用語等については「一覧表の用語・見方」を参照してください。
授業科目名 | 単位数 | 配当セメスター | グレイド ナンバー |
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1セメ | 2セメ | 3セメ | 4セメ | 5セメ | 6セメ | 7セメ | 8セメ | |||
社会調査入門 | 2 | ○ | 200 | |||||||
ビジネスケーススタディA | 2 | ○ | 200 | |||||||
ビジネスケーススタディB | 2 | ○ | 200 | |||||||
アカデミックスキルズA | 2 | ○ | 100 |
授業科目名 | 単位数 | 配当セメスター | グレイド ナンバー |
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1セメ | 2セメ | 3セメ | 4セメ | 5セメ | 6セメ | 7セメ | 8セメ | |||
フレッシャーズゼミ | 2 | ○ | 100 | |||||||
情報リテラシー | 1 | ○ | 100 | |||||||
ベーシックアカウンティングⅠ | 2 | ○ | 200 | |||||||
ベーシックマーケティング | 2 | ○ | 200 | |||||||
プロジェクト入門 | 2 | ○ | 200 | |||||||
キャリア&ライフマネジメント | 2 | ○ | 200 | |||||||
社会調査実践 | 2 | ○ | 300 | |||||||
アカデミックスキルズB | 2 | ○ | 200 |
授業科目名 | 単位数 | 配当セメスター | グレイド ナンバー |
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1セメ | 2セメ | 3セメ | 4セメ | 5セメ | 6セメ | 7セメ | 8セメ | |||
ベーシックアカウンティングⅡ | 2 | ○ | 200 | |||||||
流通システム論 | 2 | ○ | 200 | |||||||
ビジネスヒストリー入門 | 2 | ○ | 200 | |||||||
グローバルビジネスの基礎 | 2 | ○ | 200 | |||||||
ワークルール入門 | 2 | ○ | 200 | |||||||
プロジェクト実践 | 4 | ○ | 300 | |||||||
マーケティングリサーチ | 2 | ○ | 300 | |||||||
コンテンツビジネス実践Ⅰ | 2 | ○ | 300 | |||||||
起業家行動論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
企業システム論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
マーケティング論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
消費者問題論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
グローバルビジネス | 2 | ○ | 300 | |||||||
ビジネスヒストリーA | 2 | ○ | 300 | |||||||
経営立地論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
ローカルビジネスのフロンティア | 4 | ○ | 300 | |||||||
コンテンツビジネス実践Ⅱ | 4 | ○ | 300 | |||||||
デザインマネジメント実践 | 4 | ○ | 300 | |||||||
社会データ分析 | 2 | ○ | 300 | |||||||
地域企業論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
京都企業論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
事業システム論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
グローバルストラテジー | 2 | ○ | 300 | |||||||
ソーシャルマーケティング | 2 | ○ | 300 | |||||||
商品開発論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
ビジネスヒストリーB | 2 | ○ | 300 | |||||||
コンテンツビジネス論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
食農ビジネスのフロンティア | 4 | ○ | 400 | |||||||
地域と企業 | 4 | ○ | 400 | |||||||
京都企業の現場 | 2 | ○ | 400 | |||||||
デジタルマーケティング | 2 | ○ | 400 | |||||||
空間データ分析 | 2 | ○ | 400 | |||||||
ケースで学ぶアカウンティング | 2 | ○ | 400 | |||||||
ソーシャルビジネス論 | 2 | ○ | 400 | |||||||
グローバルマーケティング | 2 | ○ | 400 | |||||||
ロジスティクス | 2 | ○ | 400 | |||||||
中小企業経営論 | 2 | ○ | 400 | |||||||
地域資源論 | 2 | ○ | 400 | |||||||
ビジネスイノベーション | 2 | ○ | 400 | |||||||
ケースで学ぶローカルファイナンス | 2 | ○ | 400 | |||||||
アジア企業経営論 | 2 | ○ | 400 | |||||||
ケースで学ぶビジネスヒストリー | 2 | ○ | 400 | |||||||
文献講読A | 2 | ○ | 400 | |||||||
文献講読B | 2 | ○ | 500 | |||||||
演習Ⅰ | 4 | ○ | 400 | |||||||
演習Ⅱ(演習研究含む) | 6 | ○ | 500 |
授業科目名 | 単位数 | 配当セメスター | グレイド ナンバー |
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1セメ | 2セメ | 3セメ | 4セメ | 5セメ | 6セメ | 7セメ | 8セメ | |||
経営学基礎論 | 2 | ○ | 200 | |||||||
経営情報学Ⅰ | 2 | ○ | 200 | |||||||
簿記入門 | 2 | ○ | 200 | |||||||
経営管理論 | 2 | ○ | 200 | |||||||
経営情報学Ⅱ | 2 | ○ | 200 | |||||||
経営データ分析Ⅰ | 2 | ○ | 200 | |||||||
経営データ分析Ⅱ | 2 | ○ | 300 | |||||||
経営情報活用論 | 2 | ○ | 400 | |||||||
初級商業簿記 | 2 | ○ | 200 | |||||||
財務諸表分析入門 | 2 | ○ | 200 | |||||||
経営意思決定論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
経営情報システム論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
中級商業簿記 | 2 | ○ | 300 | |||||||
財務会計入門 | 2 | ○ | 300 | |||||||
工業簿記 | 2 | ○ | 300 | |||||||
プログラミングⅠ | 2 | ○ | 400 | |||||||
財務会計論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
プログラミングⅡ | 2 | ○ | 400 |
授業科目名 | 単位数 | 配当セメスター | グレイド ナンバー |
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1セメ | 2セメ | 3セメ | 4セメ | 5セメ | 6セメ | 7セメ | 8セメ | |||
スポーツと経済 | 2 | ○ | 400 | |||||||
スポーツマネジメント論 | 2 | ○ | 400 | |||||||
スポーツ政策論 | 2 | ○ | 400 | |||||||
スポーツマーケティング論 | 2 | ○ | 400 | |||||||
Global Understanding and Communication | 4 | ○ | 400 | |||||||
統計学 | 4 | ○ | 200 | |||||||
ファイナンス理論 | 4 | ○ | 300 | |||||||
アジア経済論A | 2 | ○ | 300 | |||||||
アジア経済論B | 2 | ○ | 300 | |||||||
中国経済論A | 2 | ○ | 300 | |||||||
中国経済論B | 2 | ○ | 300 | |||||||
国際金融論 | 4 | ○ | 400 | |||||||
商法 | 2 | ○ | 300 | |||||||
民法 | 2 | ○ | 300 | |||||||
会社法 | 2 | ○ | 300 | |||||||
労働法 | 2 | ○ | 400 | |||||||
経済法 | 2 | ○ | 400 | |||||||
中国政治論 | 2 | ○ | 300 | |||||||
アジア政治論 | 4 | ○ | 300 | |||||||
京都市の産業と産業政策 | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語A(ドイツ) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語B(ドイツ) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語C(ドイツ) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語D(ドイツ) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語A(フランス) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語B(フランス) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語C(フランス) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語D(フランス) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語A(中国) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語B(中国) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語C(中国) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語D(中国) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語A(スペイン) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語B(スペイン) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語C(スペイン) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語D(スペイン) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語A(コリア) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語B(コリア) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語C(コリア) | 2 | ○ | 300 | |||||||
上級外国語D(コリア) | 2 | ○ | 300 | |||||||
職業指導 | 4 | ○ | 400 | |||||||
キャリア実習・実習指導 | 2 | ○ | – | |||||||
キャリア実習・実習指導(大学コンソーシアム京都) | 4 | ○ | – |
配当セメスターとは、当該科目の履修が可能となる最初のセメスターのことです。例えば、配当セメスターが3セメスター(2年次の前期)の場合、1年生の時(1・2セメスター)には履修できません。
類似の用語として「開講セメスター」があります。これは、配当セメスター以降の、当該科目の履修が可能なセメスターのことです。原則として、配当セメスターと同期(前期か後期)となります。例えば、配当セメスターが3セメスター(2年次の前期)の場合、5セメスター(3年次の前期)、7セメスター(4年次の前期)が開講セメスターとなり、そこでの履修が可能です。
なお、以上は原則です。経営学部商学科の場合、例えば、後述の「履修指導科目」など例外がありますので、注意してください。
履修指導科目とは、所定の配当セメにおいて、全ての(経営学部商学科の)学生が、履修(登録)をしなければならない科目(卒業要件上は選択科目)です。
なお、経営学部商学科の場合、再履修可の履修指導科目:ベーシックアカウンティングⅠ・ベーシックマーケティングと、再履修不可の履修指導科目:左記以外の履修指導科目、の2タイプがありますので、注意してください。
グレイドナンバーとは、カリキュラム全体のなかで、当該科目のレベルがどの位置にあるのかを数値化したものです。各科目には100・200・300・400・500の5つの数値が割り当てられており、数値が大きくなるほど、専門性が高くなっています。
商学科の基準は下表のとおりです(両学科共通科目の基準は別)。単位修得ができない科目が増え、高年次においても多くの科目を履修登録しなければならなくなった時、このグレイドナンバーが役に立つかもしれません。
専攻科目一覧表(この表を含む『履修要項』そのもの)は、2025年度入学生用(Ver. 2025)のものであり、該当学生は卒業までこれを用います。『履修要項』は、入学年度によって異なりますので、注意してください。
また、何らかの事情で、開講セメスターが前後する(配当セメと前・後期が異なる)等、2025年度入学生用のものに修正・変更が加わる場合があります。毎年度の履修登録の際には、当該年度の時間割や『履修要項』の変更案内ページ等で、修正・変更点を確認するようにしてください。
集計分野 | 超過科目の扱い |
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学科必修科目 | |
学科選択科目 | 超過分の単位はフリーゾーンへ |
フリーゾーン |
(注)教養教育科目超過分もフリーゾーンへ単位集計されます。
経営学部では,文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(応用基礎レベル)」に準拠した教育プログラムとして,「データサイエンス・AI応用基礎プログラム」を展開しています。
詳しくは,特設ページをご確認ください。
RISE Programで修得した単位は,5-weekプログラムは,「教養選択科目」として6単位まで,Semesterプログラムは,「必修語学科目」や「教養選択科目」として18単位まで認定します。RISE Programの単位認定について不明な点がある場合,経営学部教務課までお問い合わせください。学部共通コースの単位認定については,教学部にお問い合わせください。
留学する時期や期間によって,ゼミの履修可否が変わります。詳しくは,ゼミ担当教員および経営学部教務課にお問い合わせください。